中国語を勉強する上で最初に学ぶ必要があることがあります。
それが「声調」です。
声調というは「声のトーン」のことになります。
日本語でも「橋」と「箸」って微妙に声のトーンが違いますよね?
あれがどの言葉にもあるという風に考えてもらうといいですよ。
その「声調(声のトーン)」ですが、中国語では4つに分類されます。
下の図をまず見てください。
1~4のバージョンで声のトーンが変化していきます。
そして変化すると「言葉の意味」が変わります。
これが上で言った「橋」と「箸」のことですね。
ただある程度慣れてくると「橋」と「箸」の違いは文章の前後でわかってくるので今は深く考えずに「へー、そうなんだ」と思っていただければよいです。
日本人でも「この橋を渡れば・・・」
とこの数文字の文章でも「橋」と「箸」を勘違いしないように、少しの慣れだけのお話しなのですねー。
さて、どうやったら音をとらえられるか?
その練習方法はキレイな発音をしている音を聞きながらマネする。
必要な条件としては「キレイな発音」です。
今日は良い発音をしている音声を記事に入れましたので、ぜひ耳から慣れて口に出していってみてください。
数回練習するだけで、基本は抑えることができると思いますよ!
音に対する恐怖心について
声のトーンが変わってくる。
そうなると「あ、僕音痴だし・・・」
とビクビクし、引き気味になる方もいらっしゃると思いますが、まったく心配いりません!
良くカラオケでも音を外す僕がいうのですから(汗)
声のトーンが変わることで一番大事なのは、音程というより「音の差」
上の図で2声と3声って似ていますが、大げさに2声をぐっ!と上げると中国人の講師は聞き取りやすいと言われました。
つまり音痴とかは全く関係ないのですねー。
ですから「声のトーン」について、恐怖心や戸惑いを持たれている方も安心してください。
拼音(ピンイン)という言葉と4つの声調
中国語には声調があるということをお話ししましたが、文字に書くときどうやって表すの?
という疑問が沸きます。
それを解決するために「アルファベット(ローマ字)に記号をふる」という仕組みを作りました。
例えば「a(ア)」という音を第1声~第4声までどう表すかといいますと下の表になります。
加えて「軽声」というアクセントに近い位置づけのものがあり、ポンと声を軽く出す感じでやりましょう。
声調 | 拼音(ピンイン) |
---|---|
第1声 | ā |
第2声 | á |
第3声 | ǎ |
第4声 | à |
軽声 | a(記号なし) |
4つの声調を大きく見てみましょうか。
ā á ǎ à
あまり見慣れないのでびっくりするかもしれませんが、よくよく見ると面白い。
下図と記号部分が似ているでしょ?
音のトーンはこんな感じですよー。
って教えてくれていると思ってもらってもいいですね。
声調が変わると意味が変わってくる言葉
冒頭に声のトーンが変わると意味が変わってくるという事で日本語の「橋」と「箸」を例にだしました。
では、中国語ではどんな意味の変化があるか少し見てみましょうか。
第1声 | 第2声 | 第3声 | 第4声 |
---|---|---|---|
bā(八) はち |
bá(拔) ぬく |
bǎ(靶) 標的、まと |
bà(爸) お父さん |
dā(搭) 組立てる |
dá(答) 答える |
dǎ(打) 打つ、叩く |
dà(大) 大きい |
mā(妈) お母さん |
má(麻) 麻 |
mǎ(马) 馬 |
mà(骂) ののしる |
どうでしょう?
全然意味違いますよね。
他にもこんな例があります。
qǐng wèn
qǐng wěn
違うのは「e」の声調だけ。
こんな間違いすると悲しいので注意ですよ(汗
1声から4声までを耳から慣れる
では、さっそく1声~4声までがどういう風に発音されるか1個ずつ聞いてみましょう。
第1声~第4声までの音の高さをイメージしてみて進んでみてくださいね。
第1声のアー(ā)
高い音を維持し続けます。
- 電話で話し中の「プー、プー」となる音
- 子供が「イーッだ!!」という時の声
こんな状況の音を想像してみて聞いてください。
いかがでしょうか?
想像していた音程や同じ高さを維持する音の感覚が一致しましたか?
実は第1声って簡単に見えて難しいのですよね。
なぜか?
それは、「音を維持する」ということは思った以上にエネルギーと集中力を使います。
練習中に気づいたら音が下がった!
そうなると、この後でてくる第4声に変化します。
つまり、意味が変わるのです。
こんな感じ。
最初は慣れるために何度も聞いたり、言ったりして練習してみるといいですよ!
では、3回連続で聴いてみて次の第2声へいきましょうー。
第2声のアー(á)
中音から一気に高音へ上げます。
心の底から驚いたときに
「ほんとぉぉぉぉ↑↑↑」
ってなるくらい大げさに毎回驚きましょう。
どうでした?
「いやいや、そんなに大げさにやらなくても、このくらいならいけるよ!」
って思われた方。
すごいですよ!素質あり!
でも練習しているうちに、いつの間にか終わりの部分を上げきれない状況がくるかもしれません。
第1声のときもそうですが、下から上へ持ち上げるということはエネルギー(体力)を消耗します。
普段から慣れていればいいですが、練習段階だと疲れたら、案外やっちゃうんですよねー。
そして、言葉の意味が変わるという。
この第2声も持ち上げる!驚く!
を意識して慣れていきましょうね。
では、また3回聞いてみます。
第3声のアー(ǎ)
中低音から少し下げて少し上げます。
- 感心したときに「へぇー」という音
- がっかりした時の「あーあーぁ」
- 親が子どもに叱ってさらにミスした時の「ほーらぁ」(いわんこっちゃない)
ここで意識するのは、「最後に少し上げる」部分です。
まず1回聞いてみましょう
実はこれやってみるとよくわかりますが、意識しなくても「声のトーン」が持ち上がります。
最初の下げる箇所は自分が出来る可能な限り低い音にしてくだい。
これ以上無理!
っていうくらい低い音です。
ちょっとやってみてください。
・
・
・
どうでした?
低い音の最後がやや持ち上がりませんでしたか?
その程度の持ち上がりがスタート地点で、あとは慣れていけば逆に低いところから少し持ち上げるのは苦労しないので簡単です。
この第3声は難しいように見えて、「コツ」を知っているか、知らないか。
だけのお話しになるんですねー。
ではもう1度、聞いてみましょう
どうですか?
コツがつかめそうな気はしてきましたか?
最初からすべてをやりきる必要はありません。
この記事を何度か見直してやってみればいいだけですから。
では、3回聞いてみましょう。
第4声のアー(à)
高音から一気に低音まで落とします。
よく言われるのはこれ。
カラスが「カーァ、カーァ」と鳴く声。
これも実際やってみると分かりますが、結構簡単です。
下げる分にはエネルギーをあまり使わなくて済むからですね。
では聞いてみましょう。
どうですか?
「下げる」という意識さえもっていれば他の声調よりは、幾分か簡単なはずです。
この第4声ですが、第1声を間違えると第4声になります。
もう1度図をみましょう。
つい油断すると第1声の最後が下がってしまうのです。
そうすると第「1声と違う音」として耳に入ってきます。
似ているのは第4声だけなので、「あ!第4声だ!」
と聞いている方は勘違いするんですねー。
案外笑いごとでないレベルで間違いますから要注意ですよ(笑
僕、第1声が苦手で、よく第4声になますので。
では、また3回聞いてみましょう。
声調のまとめ
いかがでしたでしょうか?
この第1声~第4声までを使って意味を変えつつ言葉を繋いでいくのが中国語。
正確にいうと、これに「軽声」という「ポンッ」と言葉を置くだけの発音がありますがメインは4つ。
基本の4つを抑えておけばいいのですから、ここはクリアできる人は多いと思います。
上達する練習法として「マネる」を提示しました。
これは子供が圧倒的スピードで上達する「肝」なのです。理屈ではありません。
大人も癖がついているとはいえ、修正は可能ですし、マネすることで上達も飛躍的に伸びます。
最後に第1声~第4声と、3回連続部分を復習して終わりにしましょう。
結構疲れたかと思いますが、この声調部分を知ってて単語を離すと「おお!奇麗な発音!」って思われるのでがんばりましょうねー。
第1声~第4声まで。
第1声×3回~第4声×3回。
中国語はとにかく、大げさに言うことですね。
一人で部屋で大げさに練習していても、誰も文句は言いませんから(笑
次回は「中国語は発音時に声調が変わる!?(変調)」について解説していきます。
次回のお勉強 中国語の発音・声調の変化(変調)をまるごと大解説!